東京の焼肉は庶民派のお店も捨てがたいのですが、洗練されたディナーという印象が強いでしょう。まず、店構えから違っており、これまでの焼肉店の印象をくつがえすかのようなものばかりです。明るいネオンで目立つ看板は過去のものとなり、モダンな印象の玄関にアプローチは間接照明を使っており、どのような間柄であっても失礼がありません。間接照明は女性を美しく見せる効果もあるため、デートで利用するのにも向いています。女子会や接待、家族での食事に利用するのもピッタリです。
たとえば、接待であれば焼肉でありながら、ゆっくりビジネスの話ができますし、女子会であっても秘密の話ができるでしょう。家族の記念日で利用するのもよし、普段使いしていないのであれば子どもたちも喜びます。あらゆるシーンで洗練された焼肉店は利用でき、失礼がない。入店しての第一印象がかなり良いため、もしかすると男女の仲もビジネスも上手くいくような気がします。
店構えも大事ですが、焼肉は食事をする場所となると、一番大事にしたいのはどのような食事が提供されるのかでしょう。今も昔も変わらず、肉を焼くことは同じですが、その内容が変わってきています。まずは、提供される肉の種類が多くなっていることです。カルビというメニューだけでも数種類あり、ホルモンだけでも数種類あるのはもはや当たり前となっています。このような流れは食事をしに行く私たちからすると喜ばしいことですが、店側にとっては見えないところでかなり努力をされています。希少部位を契約するのは、直接生産者と交渉することが多く、安定した供給が約束されなければ、メニューとして出せません。
もし、安定した供給ができない場合は、期間限定メニューとして出すしかありません。その際に、お客様から以前来店したときに美味しかったというような話をされることもあるはずです。希少部位について安定した供給ができれば、東京の焼肉店としての個性も出せますし、何よりもお客様に喜ばれます。結局のところ、お客様の喜ばれることを普通に行える焼肉店がリピートされ、繁盛店となるのです。東京の焼肉店はとにかく数が多いため、熾烈な競争がされています。そのなかで選ばれるためには、あらゆる面でお客様に喜ばれなければなりません。
さらに東京の焼肉店に共通することとして、焼肉を食事としてではなく、お酒を楽しむためにも利用できるような計らいが見られます。酒と合う生肉を使ったメニューを複数取り入れているところが増えて来ており、ユッケや肉寿司はその典型と言えるでしょう。生肉を使ったメニューは人気がありますが、同時に店側は信頼できる仕入れ元から仕入れ、衛生管理に普段以上に気を使わねばなりません。それらの努力のうちどれが欠けたとしても、生肉を使ったメニューは提供できません。
お酒に関しては、どこに行っても飲むことができるお酒をそろえることはもちろんですが、滅多にお目にかかることができないお酒をそろえなければなりません。ビール、ワイン、日本酒などあらゆる種類のお酒をそろえ、日本酒であれば地方の名酒を見つけるなどの工夫が必要です。また、肉と言えばワインが欠かせません。お客様が喜ぶワインをそろえることは当然ですが、海外のものだけではなく、最近は日本にもおいしいワインがたくさんあります。肉に合うおいしいワインを見つけてくることも大切です。
東京の焼肉だけあって、本当に良い店と食事ができるのであれば、少々お値段が張っても来店する人は後を絶ちません。サービスや内容が価格に見合ったもの、もしくはそれ以上であることが東京の焼肉で重要視されることです。店構えやスタッフの接客、メニューの豊富さと希少価値が大切となるでしょう。